現在のコンピュータは、ノイマン式というもので、ほとんどの演算は、スイッチが入ると電気が流れるというリレーと同じ仕組みを持つトランジスタ回路からくみ上げられています。たとえば、1を電流が流れている状態、0電流が流れていない状態としたときに、1+1をするのであれば、2進数で見たときの二桁目のスイッチを、一桁目のトランジスタの出力にすれば、1桁目でスイッチだけに1があっても電流は流れず、入力だけに1があっても電流は流れないため、両方が1になったときに、上の桁に電流が流れる(1+1=10)という結果になります。こういったトランジスタを小型化してICに集積することで、コンピュータの能力も上がってきました。たとえば、ノートパソコン向けのICでは、1億から10億個のトランジスタが一つのチップに含まれています。
今後さらなる発展のためにICの性能をアップさせる技術としてカーボンナノチューブが上げられます。カーボンナノチューブは、現在のICの4分の1程度のサイズで同じ処理ができる可能性があるため、集積度を上げることが期待されています。一方で、新しいコンピュータの姿として、人間の脳と同じようにメモリに対して同時アクセスをして、それぞれのデータとの類似状況の総和から物事を判断していく人工知能・コグニティブコンピューティングがあげられます。このコンピュータでは、高速に比較できることが非常に大切な要素となってきます。
そう言った視点から、同時比較を高速にできる量子コンピューターの技術にも注目が集まっています。
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